水産大学校での出前講義

 先日、下関は吉見にあります独立行政法人 水産大学校の水産流通経営学科1年生(22名)の前で、水産業の現状等についてのお話しをする機会をいただきました。
 水産流通経営学科は、漁業の生産現場と消費者を結ぶ流通や経済・経営に関する分野を研究される学科です。
 筆者の偏見かもしれませんが、少なくとも県レベルの水産試験研究分野では、資源調査・漁場開発・漁具改良・種苗生産・資源管理等の生産対策に重きが置かれ、また、行政施策としては、販路拡大・消費拡大・魚食普及等の消費者対策が中心で、これらを結ぶ流通対策としては市場整備・機器整備等のハード対策程度に止まってきたように思われます。
 そういう意味からも、水産流通経営学科が研究する分野は、これからますます重要になってくると思われる分野であると思われます(※)。
(※ あくまで筆者の個人的見解であり、これまでの生産対策や消費者対策も、もちろん、重要であることに変わりありません)
 さて、いただいたテーマは「下関の水産業 ~沖合底びき網漁業を中心として~」。
 全くの力不足であることは痛感しつつも、少しでも、現状報告ができればと思い、
 1 下関市の水産業の歴史
 2 山口県水産業における下関市の地位
 3 下関市の水産業の現状と課題
 4 対応策
 5 将来展望(望ましい姿)
という内容でお話しをしました。
 プレゼン資料を作成するに当たり、種々の資料を参考にしましたが、今更ながら思い起こされるのが、我が国漁業の発展に果たした下関の重要性です。
 特に明治期以降の汽船トロールや機船底曳網の発展の歴史資料・参考文献を読むと
、先人たちの努力や工夫に頭が下がる思いがします。
 当時とは、社会経済的背景が大きく異なりますが、新しい技術開発・導入や新分野への進出に、常に意欲を持って取り組んだその姿勢は、今の我々も見習わなければならないと気持ちを新たにしました。
 で、肝心の講義ですが、居眠りすることもなく、積極的な質問を寄せるなど、近い将来に期待が持てる学生さんばかりでした。
 こういう学生を見ると、まだまだ水産業も捨てたもんじゃないよ[E:scissors]、と明るい気持ちになります。

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